onco chishin

4人の子育てについてとその他いろいろ

読書日記(8)

今回はこれです

イラストの女性が大変可愛い。子どものころ北条司さんの漫画『キャッツ・アイ』が好きだったんですがタッチが似てる。いいですね

今回は最新刊なのでネタバレにならないよう感想だけ

 

1980年代バブル絶頂期の日本が舞台。中堅証券会社に勤める若者たちを描いています

私自身は氷河期世代、卒業する2年前にバブルが弾けちゃった運の悪い世代です。なのでこの頃の職場の雰囲気は全くしりません。が、明らかに時代が変わったということは大学生活で目のあたりにしました

バブル期、先輩は赤とかピンクとかのキラキラしたボディコンスーツで就活に行ってて、それで銀行とかに内定をバンバンもらってた。今の学生さんは信じられないでしょうね

なんだ就活楽勝じゃん、女を磨けばいいんだー、と思っていたら急転直下、一つ上の先輩からは紺か黒のスーツで、髪は勿論黒、後ろにキュッと一つにまとめ、化粧も控えめ。まさに今のスタイルに激変

結婚式に行くの?から、お葬式行くんですか?くらいの変わりようにギョッとしました

このわかりやすい見た目の変化はかなり衝撃的で時代の境目を目撃したというか、売り手から買い手に変わった瞬間を見て、自分の努力とかどうしようもないところで『運命』は決まるのだと悟ってしまった

そしてなんにしても備えが必要なんだなと

凪だと思っていたらいきなり大風が吹いて波に放り込まれ、自力で泳がなくてはならないかもしれない。そこから私は何事も悲観的に見る癖がついたような気がします。良いのか悪いのか

 

なのでコロナ禍で修学旅行に行けなかった娘は本当に可哀そうだと思ったのですが、時代とは、社会とは結局そんなもので、個人の幸せは社会という海が凪いでいるときにだけ保証されるものなのだと私は再認識したのです

 

さて小説に話を戻すと、望月はやばいだろうとは思うものの、バブルがはじけた時に船から放り出された人、船にかろうじて乗っていられた人との違いは何だったんだろうと思う

そしてバブル後、正規雇用と非正規雇用に分かれた人の違いは

正規雇用の人は自分たちは助かったと思っているのだろうけど、実はどちらも同じ時代の同じ船に乗ったままで、少子高齢化の大波にもまれようとしているのでは

船は沈まないでいられるのだろうか、と考える私はやはり悲観的