onco chishin

4人の子育てについてとその他いろいろ

読書日記ー桐野夏生さんにはまってる(3) 

今回はこちら

ディストピア小説でした。これも3日ほどで一気読み。大変面白かったです

近年、コンプライアンス「的に」ダメとかで、メディアでの表現規制がかつてより厳しくなってますが、小説にまで適用されたらどうなるのかというお話

文学とは何か、人間とは、表現の自由とは

こちらも色々と考えさせられる作品です。そして今の世の中を見ていると、このとんでもないストーリをフィクションだよと笑えないからさらに怖い

 

芸人さんがペンギンの池に落ちたこと、昭和のテレビなら全然ありだった

でも、ペンギンを怖がらせたりケガさせたりしたら勿論ダメだよねとは思うし

昭和だって行き過ぎた演出があれば当事者や視聴者からクレームが来て謝ったりしてたのでしょう、今のようにネットで騒ぎになることがなかっただけで

今はネットでみんなが意見を言えるようになって、それは良いこともあるけれど

何も考えずにいたらいつの間にか悪い方向へ行ってしまう危うさもあると思う

 

世の中の価値観が変わる速度が増して、その流れの中にいるなと日々感じていて

正直ついていけないと思うこともあるし、そうなってほしいと思っていたから良かったと思うことも

コロナ以降、この小説の世界にじりじりと近づいているような薄気味悪さも感じていたので

とっても怖い小説でした

 

 

 

 

 

読書日記ー桐野夏生さんにはまっている(2)

思うところあり少し書き直しました。表題1の続きです

tsukimin.hatenablog.jp

 

『砂に埋もれる犬』

「砂に埋もれた」ではなく「埋もれる」でした、失礼いたしました
児童虐待がテーマのお話。母親と同居人の男から虐待を受けて育った少年を中心に描かれ、虐待って児相が保護したら一件落着でしょ、と思ってる人に「そう単純で簡単ではない」ことを考えさせてくれます
 
主人公の少年はとても利発で、自分の置かれた状況の理不尽さをちゃんと理解し、助けてくれそうな大人を見極めSOSを発信します
しかし幼いころの虐待体験による人格形成の歪みは大きく、普通の生活を送ることは簡単ではなく彼を次第に追い詰めていく
自力では這い上がることができない、まさしく砂に埋もれていく犬のようにもがき続ける様が大変切ない
 
東京都知事が次々と子育て政策を打ち出すなど、子育ては親だけではなく社会全体で担おうという風がようやく吹いてきた感はありますが
児童虐待はといえば、たまにニュースで取り上げられた後、しばらく世間も感情的になり、ああだこうだと大いに関心を持つけれど、1カ月もすると忘れ去られ他人事になってしまうような
故に政治家も本気モードにはならず、抜本的な解決策にはたどり着かずまた悲劇が起こるの繰り返し
衝動的にニュースを日々消費していく私たちって、虐待の背景や真実をちゃんとわかってるのだろうか、そんな疑問を常々から抱いていたところです
 
勿論、一般の人だってぼーっと生きてるわけじゃなくて、自分の生活のために必死で毎日働いてるわけです
他人の子どもに関心が続かなくてもいた仕方ないと思う
でも、ニュースに流れないと我が事に感じられない私たち、という自覚は必要かな
 
また、虐待は絶対にダメだ、と思う善意の人がいたとして、この主人公のような少年が目の前にいたらどうするだろうか。我が子と同じ学校にいたらどう思うだろうかと
同じく虐待を描いた作品で、正義の人が喜ぶような美談が入った物語も読んだことがありますが(それが悪いわけではないと思います)一切ない潔さはさすが
 
児童虐待を肯定する大人など、きっといないでしょう
ただ、その子が良い子ではなかった場合はどうなのか?ヨイ子になれなかった責任は誰にあるのか
子どもたちにとっては保護されてからも試練の連続なのに、保護された後どう育てるかについては議論が深まらない
もちろん専門性がないとこのような困難な課題に対処できないと思うし、小説に描かれているように、現場の人は根気強く頑張っておられるのでしょう
一般人がそもそも口を出せることではないかもしれない
でも社会の中で彼らを受け入れるためには、周囲の理解がないとうまくいかないこともあるはず
 
最近は、少子化をどうにかするためには親にお金をどんどん配れ、みたいな議論もあって
確かにそれで子どもは増えるかもしれないけど、虐待も増えてしまうのではないかと思ったりします
子育てにはお金がかかるから産みたいのに諦める、なんてことはないようになればいいとは思うけど
今の少子化議論にはなにか違和感を感じる。誰の為に増やしたいの?って思う
 
今生きてる子たちを幸せにする方が先で、子どもがどんな家庭に生まれたとしても幸せになれる社会なら、自然に増えていくのではないかな
と小説を読んでさらに思いが深まります
 
 

 

御手洗祭りに行って、黒蜜団子のおいしさに驚く

京都下鴨神社、御手洗まつり最終日に行ってきました

日曜日とあって市内はそこそこの人出でしたが、電車も全然座れたし良かった

 

お昼は夫が河原町近辺で検索して見つけた、タイ料理のお店へ

タイキッチン BARAMEE

このブログでもチョコチョコ触れていますが、私はカレーが「大」好きです

最後の晩餐は絶対にカレーだと思っていますが、もちろんタイカレーも大好き

いやココナッツミルクやパクチーが入ってて、インド式よりちょっと女子な感じ(?)がするタイカレーの方が、若干好きかもしれません

グリーンカレーのランチを頼みましたが、辛すぎることもなく大変美味でした

夫はシンハービールを飲んでご機嫌に。私も大満足でいざ下鴨神社

 

最終日だからか、下鴨神社は大変な賑わいでした

小さな子供を連れた家族も多かった。そりゃあこれだけいいお天気だと、いくら暑いって言っても家族で外に出たくなるのはわかります

きれいな小川が近くにながれていて、網を持って川で遊ぶ子供たちがとっても気持ちよさそう

楽しそうだな、あんな頃があったな・・・と

大変だったけれど、キラキラしていた日々を懐かしく思い出す

 

澄み切った青空と白い雲と赤のコントラストがとても美しい

 

露店では日本酒の販売も

御手洗祭りとは

だそうです

この「神池」に足をつけ云々・・・すれば「諸病に罹らない」そうで、なるほど、これでコロナ対策は万全!

と思いきや、肝心の足ふきタオルを忘れてきてしまった

旦那さんも神池に入る大勢の人を見て「ガンジス川」と呟き、入りたいとは言いません

結局足は清めず「御神水」のみいただきました

無病息災効果はないかもしれないなと思いつつ、暑かったので御神水は大変美味しく、ありがたくいただきました

 

京都に来たのだから、池には入らずとも甘いものは絶対に買って帰らないといけません

娘におみやげを、と旦那さんが検索して見つけたのが、黒蜜団子が評判との「美玉屋」さん

下鴨神社から歩いて10分かからなかったかな、大通りに面した意外にこじんまりとしたお店で

店内は暗く、今日営業してる?と思いつつ近づくと電気がついて「いらっしゃいませー」と店員さんが奥から出てこられました

あまりの商売っ気のなさにちょっと拍子抜けしましたが、まあせっかく来たんだからと黒蜜団子を購入

なので味には全く期待してなかったのですが、家で娘と早速食べてみると、なんとも柔らかくて、きなこと黒蜜の甘さも絶妙

とっても美味しいではありませんか・・・!

しまった、お店の写真撮っておくべきだったと後悔。黒蜜団子を買う為に、また下鴨神社へ行かねばと思っています

 

ホントは祇園祭に行きたかったんです

息子が前祭り前日に行き写真を送ってくれたのですが、その人の多さを見て尻込みし、行かなかった

山鉾巡業はテレビ中継でしてくれてよかった。来年こそは行きたいな

コロナさえなければ迷わず行けたのに。

でも京都の人は肝が据わっているというか、コロナに負けてたまるか、という意気込みがテレビ画面からも感じられて、なんだか胸がジーンと熱くなりました

はやく普通の日常に戻りますように

 

 

読書日記ー桐野夏生さんにはまっている

以前の記事にも書きましたが、いまさらながら桐野夏生沼にはまってしまいました

現在無職(求職活動中)で暇なのをいいことに図書館へ足しげく通い、ひたすら読みふけっています

tsukimin.hatenablog.jp

こんなに読書に時間を費やすなんて小学生以来のこと

つまり今は「小学生レベルのゆとり生活」をしていることになります。なんと幸せな

でもなぜ「桐野作品」なのか

もちろん、数多くの賞を受賞された作家さんであり、どれも優れた小説であるからなのでしょうが

私が女性作家さんの小説をこれまであまり読んでこなかった、なのに今沼っているのは、小説を通して女性としての自分の人生を振り返る心地よさからだと

女性として母として妻として社会人として・・・いろんな役割を経験したこと、その悲喜こもごもを振り返ることは

子育てにひと段落してほっとした今、とても心地よい時間なのです

 

そこで私なりに感じた感想を簡単に書いていくことにしました

ネタバレないように書いたつもりですが、これから読もうと思っている方は気を付けて読んでいただければと思います

まずは「東京島」から

第44回谷崎潤一郎賞 受賞作品、大変に読みごたえがあり面白かったです

無人島に漂着した集団の中でたった一人の女である主人公、清子は、とてもしたたかな女性

食べるために蛇を捕らえることなんか当然、夫を裏切り、体を武器にその時々で力を持つ男になびく、生きるためにはなんだってやる

清子には共感できるところもありできない部分もあるのですが、こうなれないのなら無人島で生き残ることは出来ないだろうなと

東京島」から果たして全員が無事に脱出できるのか

正規非正規と分断された日本人たち、自分さえ助かればいいと考えている東京島の漂流民たちは、現代社会の私たちのようではないかとも思わされました

 

次に「バラカ」

東日本大震災後に書かれた小説だそうで、原発事故が起きた日本が舞台

原発事故について、外国人労働、DV、宗教、人身売買、etc・・・

是か非か、といった単純な解答はないであろうテーマを、よくも一つの小説に盛り込むことが出来るものだと感服いたしました

原発事故後、現地でボランティアに入っていた老人に運よく拾われたものの、身勝手な大人たちに翻弄される。しかしたくましく生きようとするバラカ

読み終わるまで、彼女に新たな出会いがあるとこの人は敵なのか?味方なのか?どうか味方でありますように!と心配で心配で、味方だとわかったところまで読んで安心しないと寝られない日々でした

映画やドラマにでもなったらさぞかし面白いだろうな、と思いましたがないでしょうね

エンタメ的に読みたい人も、じっくりと真面目に考えたい人も読みごたえある作品だと

家族にもできれば読んでほしいので、家に買って置いておくつもり

 

次に「ハピネス」「ロンリネス」

タワマンに住む子育て中のママ友たちの交遊と葛藤を描いた小説

これはもう、まさに私の子育て期を「そのまんま」描いたかのようで、自分が過去にタイムスリップしたような感覚で大変面白かった

ママ友とのめんどくさいやり取りを「あー、ありがち・・・」と大いに共感

私はタワマンに住んでませんが、タワマンじゃなくても女社会は大なり小なり似たようなもの

綺麗でお金持ちのママ友と自分を比較し、自信を失いながらも我が子にはその屈辱感を絶対に味合わせたくない、という敵対心プラス親心、主人公の有紗の気持ちはものすごーくわかる

子育てに理解がない夫との軋轢、義理両親への想いなど、そうそう、旦那なんてね、ママ友と何があったって俺は知ったこっちゃないだし、子どもはごはんさえ食べさせてれば勝手に植物みたいに育つと思ってて、子どもの将来のことなんて全く考えてないし!

と当時の怒りが再燃・・・

でも客観的に見ると、そんなに怒ったり考え込んだりすることはなかったんだな、考えすぎだったわ、と思ったり、いやこれはそうなるわ当然だわ、と思ったり

子育て中の人も、子育てが終わった人にもおすすめです。モヤモヤがスッキリ

 

次は「砂に埋もれた犬」

これは凄い小説でした。長くなってしまったので続きはまたの機会に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

料理を時短にする方法ー結局はレシピをたくさん知っているかどうかだと思う

いつもの時短シリーズ、料理編です

少し前に「サボりたいこと」がテーマのお題がありましたが、私にとってサボりたいことの一番は何と言っても「料理」です

料理は毎日のことだし、最も労力を必要とする家事と言えるのではないでしょうか

 

家族のことを大事に思う女性ならばこそ、毎日「今日の晩御飯は何しようー」と悩んでいるのではないかと

自分一人ならどうにでもなるけど、家族のためとなるとそうはいきません

育ち盛りの子どもがいるとなれば尚更のことです。私も子ども4人、特に上二人が中高時代は大変でした

1週間分まとめて買う、など、楽になろうと色々やりましたが、今それを経て思うのは

「レシピを見なくても作れる料理を増やす」

結局のところ、これしか料理が楽になる方法はないと思います

つまり王道です

 

1週間のまとめ買いですが、結構すぐに一週間って過ぎてしまいます

あーまた1週間分考えないと(/ω\)ってなります

それにまとめ買いだと夏は冷蔵庫に入れてても野菜が傷んでしまったり、特売の商品が買えないなどの弊害も

そしてそのメニューを料理本を見ながら作らないといけないとなると、結局作るのに時間がかかってしまって時短にはなりません

 

メニューを考えることからもう「家事としての料理」が始まります

一人一人好みが違う家族のために、栄養バランスを考え

しかも予算範囲内で考えないといけない(;´Д`)

これらがちゃーんとできる人って、相当頭がいい人だと思います

 

今どきは便利なアプリがあるじゃないか、なに甘えてんだ

そう思われる方もいるでしょう、確かにアプリはとっても便利だと思いますが

知らない料理をアプリを見て作るというのも結構な手間だと

小さい子がいたらアプリ観る時間すら節約したいですよね

 

やっぱり自分が知ってる料理を何も考えずに作るのが断然楽です

アプリをみながら頑張っているお母さんは「楽になりたい」からではなく

「家族に美味しいものを食べさせたい」と努力しているということかと

 

ただ、レパートリーなんて急に増やせるものではありません、頑張りすぎるのはやめましょう

徐々に増やすとして、とりあえず肉じゃがなんかが及第点で作れればいいと割り切って

あとは野菜を多めにバランスが取れていたらもういいのではないでしょうか

 

では、「レパートリーを徐々に増やすため」にはどうすればいいのでしょう

それは「自分のレシピ本をつくる」ことです

 

私は家族が「おいしいね」と言ったレシピをノートに書き留めています

ノートに書き留める、という方法は記憶するために一流の料理人もしていると何かのテレビで観ましたが

私は覚えるために記録する、というよりあとでちゃんと再現できるために書き留めています

 

料理って案外再現することが難しいんですよね

あれ?こないだは上手にできたのになんか違うな?ということがよくあります

それは、材料の量が微妙に違っていたり、入れた調味料が足りなかったりするからで

毎日違うメニューを作っているために、前に作ったものを正確に思い出せないからだと気付いたのです

覚えるまで毎日家族に食べてもらうというのもアリですが、おそらく、いや確実に嫌がられるでしょう

 

私は唐揚げや肉じゃがなどの定番料理も、美味しかったな、と思う分量を書き留めています

そうすることで思い出したり、悩んだりする時間を節約できるし、既存のレシピを自分の家族分に変えて計算する手間も省けます

自分が書いたレシピはある程度作り方を覚えているので、レシピを見て作るというより分量など細かいところを確認するためのレシピです

 

ノートのレシピが少しずつですが増えてきたら自信にもなります

ローマは一日にして成らず

毎日のことだから、頑張りすぎないで頑張るように心がけてます

 

そして私はcoop さんの宅配を週1回利用しています

宅配日後の2,3日分のメニューを考えて注文していますが、2日は買い物に行かなくて済むので大変助かっています

そのうえ買い物に行かないから余計なものを買わなくなって、結果、食費の節約にもなっています

その日の特売を買う、のもいいですが、それにメニューを合わせるのも結構大変…

「買い物に行かない」ことで時間とお金の節約に、私の場合はなっているかなと思います

個配は配達料がかかるので、小さい子がいて買い物に行けない人が仕方なく利用するもの、自分には贅沢だと思い我慢していましたが、買い物に行ったら何百円かのお菓子とか、お昼は総菜パン買おうか、などと結局余分に買ってしまうので一緒かなと思うようになりました

どうせ一緒なら楽ができる方がいいと

 

注文もアプリで手軽にできるので便利です。私自身は大きな画面で選びたいのでいつもパソコンでしてますが、アプリを使い慣れている人にはいいのでは

また牛乳や水、ジャガイモやなど

必ず消費するからいつも買うけど、それ買ったらすごく重たいんだよね

というものを自宅まで配達してもらえるのでそれも助かります

 

そして私の利用している地区では「自動注文機能」があって、ほかの地区でもあるかどうかはわからないのですがこれが大変便利

登録した商品は毎週届くので、パンやヨーグルトなど、必ずないとすごーく困るものを登録していると、注文をうっかり忘れていても「朝に食べるパンがない(゚Д゚;)」と青ざめることもないし、明日のパンのためだけに買い物にわざわざ行く、ということもないのでとても助かっています

今気づきましたが、来週分の注文は昨日まででした(;'∀')

 

手を抜けるところは適当に手を抜いて

いつもニコニコ明るい家庭を築くのが、自分にとっても、家族にとっても

結局のところは一番いいのではないかな、と思います

 

 

 

 

 

 

 

桐野夏生さん「猿の見る夢」読み終えて

桐野夏生さん、先日のクローズアップ現代に出演されていて興味を持ち、著作を読んでみようと近くの図書館へ行ったのですが、桐野さんの棚にはたった2冊しか本がなくほとんどが貸し出し中で、さすがの人気作家さんです

これまで作品を読んだことがないって恥ずかしい?とおもいましたが、心の中で言い訳、子育て中は小説なんてよっぽど好きでないと読めないと思うわ・・・

などと、思っていたのですが、本が好きな人ならやっぱりどんな状態でも読むのでしょう

どこかから「ぐ~・・ぐ~・・ZZZ」と大きなな寝息が聞こえてきたので、誰が図書館で堂々と寝てるんだ?と音のする方を見やると、一心に本を読むママにおんぶされている赤ちゃんが、グーグーと健やかに寝ていたのでした

天気が良かったので赤ちゃんは外に出て疲れたのでしょうね、ママは赤ちゃんの重みに耐えつつ背を丸めて座り本に没頭

「本が好きなお母さん大変だな・・・頑張れ~!」と心の中でエールを送る

 

さて桐野さんの本、とりあえず棚に残っているのから読もうと手に取ったのはこの一冊です

 

残っているところを見るとそんなに面白くないのか?と思いつつ読み始めたのですがとんでもない

もう最初から引き込まれてしまって止まらなくなり、昼はネット検索もせず、夜もご飯を食べ終わってもテレビをつけず、目の前にいて退屈そうにしている旦那さんにも「話しかけてくれるな」オーラを発して読みふけり、2日間で一気に読み終えてしまいました。非常に面白かったです。

 

ただ、読んで何か感動するとか、心が綺麗に洗われた、とかは全くなくて

桐野さんの作品はこれが普通なようですね、小説の中の主人公にヒーロー性を求めてしまっている自分にも気づかされました

夫婦関係、愛人関係、ご近所づきあい、会社関係、親戚関係、親子関係・・・すべての人間関係の泥臭い部分がクローズアップされた物語で、きっと20年前なら途中で読むのをやめていたでしょう

主人公は定年前の会社員男性、あらゆることに対してその場しのぎでやり過ごそうとするいい加減な人で若いころの私なら絶対に許せなかったタイプです

いやこの年になってもやっぱり、こんな男は不幸になるべき、転落する結果を見たいと思って最後まで読んだのですが

若いころと違うのは、愛人を作ったりいろんなことをその場しのぎでやり過ごそうとする主人公に対して、哀れみを感じたり理解したりしてしまうことです

勿論奥さんにも感情移入はしますが100%ではない。自分が同じ立場になったら違うでしょうが、あくまで物語なので

 

自分も変わったな、とこの小説を読んで思いましたが、いろんな辛いことを経験してきた結果、ということでしょうか

もっと桐野さんの本を読みたくなり、次の人のためにもすぐに返却しようと図書館へ行くと、なんと棚には1冊もありませんでした

予約すればいい話なんですけどそれも待ってられないので、また明日やってこようと決意

 

コロナ禍が始まった年にユーチューブを見始めてからというもの、この2年はずーっとユーチューブ三昧だったためか、久しぶりに小説に没頭できたのは何だか新鮮で、

なんだろう?頭がすっきりしたというか・・・まあ良かったです

こんな私ですが、なぜか妊娠中だけは不思議と歴史物がやたらに読みたくなったんですよね

それぞれの子どもがお腹にいる時、家事の合間にむさぼり読んでいました

長男の時は「フランス革命」次男の時は「ワイルドスワン」長女の時は「宮本武蔵」三男は「大地の子」・・・

やたらグロテスクな描写のある小説を何故か誰かがお腹にいる間は無性に読みたくなり、そして出産が終わると全く読みたくなくなって本当に不思議でした

なんだったのでしょうね?ホルモンバランスの関係なんでしょうか

これから挑む出産への恐怖を、現実にあった恐怖で紛らわそうとしていたのかも・・・

 

 

 

 

 

 

母の日

一人暮らしをしている長男からお花が届きました

「いつもありがとう」というメッセージとともに

 

ピンクと緑が基調の愛らしいアレンジで、優しい長男らしいチョイス

とっても綺麗です

 

今年就職して家を出た彼ですが、一年目で早速こんな気の利いたことしてくれるなんて

全く想像してなかったので母はびっくりです

一人暮らしでお金も大変なのに、そんな気を使わなくてもいいのに!

 

でもやっぱり嬉しいです

こんなことをしてくれるまでに成長してくれたことが

 

ありがとうね~